父が帰って来る。
父の帰りはバイクの独特のエンジン音で分かる。
狭い家、10歩歩けば玄関だ。父を出迎える。
夕陽の街。
自転車で商店街の外れの銭湯へ行く。
銭湯に自転車を停めて、向かいの焼鳥屋で一本50円の焼き鳥を注文する。
レバーなんこつたんかしら
銭湯で父は肌で知り合いと世間話。僕に
「あの人の背中を流してやれ」という。
あの人は腕にSの刺青。
僕は大きなたわしでごしごしとこする。
風呂を出るとあの人は僕に30円のホームランバー
をくれる。
銭湯を出て焼き鳥屋に行く
「できてますか」「できてるよ」
二階建ての焼き鳥をもらう。
一階はたれで二階は塩。
袋に入れて二階建てが崩れないように自転車の籠に入れる。
宵闇の街を家路に帰る。
大瓶のキリンビールで父は焼き鳥を食べる。
僕はなんこつをバリバリと食べる。
まんが日本昔話が始まる。
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