2017-07-28

子供の頃の記憶

父が帰って来る。

父の帰りはバイクの独特のエンジン音で分かる。

狭い家、10歩歩けば玄関だ。父を出迎える。

夕陽の街。

自転車商店街の外れの銭湯へ行く。

銭湯自転車を停めて、向かい焼鳥屋で一本50円焼き鳥を注文する。

レバーなんこつたんかしら

銭湯で父は肌で知り合いと世間話。僕に

「あの人の背中を流してやれ」という。

あの人は腕にSの刺青

僕は大きなたわしでごしごしとこする。

風呂を出るとあの人は僕に30円ホームランバー

をくれる。

銭湯を出て焼き鳥屋に行く

「できてますか」「できてるよ」

二階建て焼き鳥をもらう。

一階はたれで二階は塩。

袋に入れて二階建てが崩れないように自転車の籠に入れる。

宵闇の街を家路に帰る。

大瓶キリンビールで父は焼き鳥を食べる。

僕はなんこつをバリバリと食べる。

まんが日本昔話が始まる。

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