毎年この日はとびきりの憂鬱と後悔と希死念慮を持って迎えたはずなのに、今朝はすっかり忘れていた。
午後になって、訪問してきた他者の営業の苗字が元カノに少し似てたから、それでようやく思い出した。
特に深い意味はなく、俺が初めて付き合った彼女であっただけにすぎない。
初めてゆえに無理を言って、それに合わせてくれる優しさこそ持っていたけど、結局全部に耐えられなくて振られた。
全部何もかも自分が悪いので、何も後悔する気はない。
せめて、俺を振ったぶんどこかで幸せに生きて欲しいと思ったけど、今もどこかで一人、淡々と生きているらしい。苗字が変わってないことに安心しつつ、今もあの子は誰かに振られて生きてるんだと思う
もしもそんなストイックな人生が僕と絡まったら、あのときよりちゃんと大人びて、迷惑もかけず、配慮も効かせられたのにと思う。
せめて自分とひどい別れ方をした人間は幸せ生きて欲しいと思う。
それすら、かなわない
どう