当時、めちゃくちゃ話題になっていた某作品を、だいぶブームが落ち着いたころに遅ればせながら入手して、わくわくしながら読み始めたんだ。
だが、比較的序盤で、あるキャラクターが「きりーつ。れーい。きょーつけー」と発言していた。
その一文を目にしたとたん、なんだかすべての文章が受け付けなくなってしまい、その後、ほとんど読み進めることができなくなってしまった。
そういう書き方が悪いわきゃなくて、単に好みの文体が一致しなかった、というだけの話だけど(特に「きょーつけー」がダメだった)。
同様に、「明らかに海外が舞台なのに、日本語での語呂を使った言い回しやダジャレをくり返す」という作品も受け付けない(該当作品はひとつではない)。
そういう文章に出会うたびに、頭の片隅がすっと我に返ってしまう。
自分が脳内で補完している音の響きが乱されて、没入できなくなるのだろう、と推測している。
でも、本当は楽しみたいのに、それができないのはさみしい。