東京大学総合図書館が来年度一年間閉鎖になるということらしい。蔵書もほとんど使えなくなるということだ。
東京大学図書館の工事は段階を追って進めていくことで、図書館の全面的な閉鎖を避ける計画であった。
しかし国からの予算が来年度突然出ることになったのである。そのような予算は来年度中には使わなければならない、というのがお役所の仕事だ。
こうして、来年度中にその予算を使ってしまうために、工事の予定を早め全面的な閉鎖ということになったのである。
その年の予算はその年のうちに使わなければならないという、慣習、構造が起こした悲劇だろう。
予算が増えて、図書館が閉鎖、なんてまるでディストピアである。いつのまに私たちはこんな国に住んでいたのだろうか…。
せめて図書館の蔵書は全面的に貸し出し可能な状態にしてほしい。そうでなければ、東京大学が大学と名乗ることすら恥ずかしいことである。