2016-01-04

正月の思い出

正月になると思い出す。

小学生の頃、まだ近所には野良犬徘徊していた。

関西の片田舎高度経済成長にあわせて、造成された住宅街だったので、

見た目は綺麗な家が続いていたが、ふと道をはずれるととんでもなく大きな農家や、

浮浪者のような老人が住んでいる掘っ立て小屋(親からあそこには近づくなと教わる)

があるようなところだった。

ちなみにその「浮浪者のような老人」は頑固じじいを略して「ガンジー」と子どもから呼ばれていたが、

非暴力不服従とは程遠く、小屋の前をわいわいと子どもたちが賑やかに集団下校するだけで、

「ごるぅああああああ!!!!!ぼけぇががああああああ!!!!!ぐるうう」

窓をあけて叫ぶような狂人だった。

そんなある時、友人の近藤くんが「あの老人の小屋の裏の池で釣りをしないか?」と言い出した。

ボクはそれを想像するだけで「ワクワク」そして「ワクワク」してしまった。

小学生の高学年になったボクは、釣りが好きになり、

放課後は近くの小川でフナを釣っていたが少々飽きていた。

そこにこの提案である。乗らないわけには行かない。

そういうわけでボクと近藤くんは2学期最後の日にガンジー池へ釣りにでかけることにした。

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