もちろん途中で離婚して逃げたんだが、父親は追いかけて来た。
最初母親は裁判所で接触禁止が出たので追いかけられるとは思っていなかったのか親や親族、知人に居場所を教えた。
父親には教えなかったが、周囲が父親に教えたらしく追いかけて来た。
アパートの鉄扉を殴る音が忘れられない。
姉が「火をつけられたら窓から逃げるしか無いか…。」と言っていたのを思い出す。
次に親や親族だけに教えた。
次は親だけに教えた。
でも追いかけられた。
多分教えたんだろう。
住所も移動せずに。
今思うんだが、人間というのはどうしても弱者の不幸を願ってしまうのだろう。
周囲の人間はストレス解消をしていたのかも知れない、俺達が不幸な目に遭う事でスッキリしていたのかも。
人の不幸は蜜の味。
これを子供ながらに感じ取った幼少期。