2015-07-08

一週間で同じ虫を三回くらい見た

一週間で同じ虫を三回くらい見た。本を読んでいると腕に飛びのってくるのである。そのたびに「うわああああああ」と言って払いのけている。

虫は蜘蛛みたいな形をしていた。それがなおさら嫌悪感を生む。しかし、床にじっとしている姿を見ると、そこまで憎む気にはなれない。

虫は短足なのだ長靴が似合いそうである

殺るか? と考えているうちにスススとどこかへ行ってしまう。部屋のなかにいるというのは不気味だが、いなくなってしまうとそこまで気にならない。僕は神様から目の前にないものを全力で見ない才能を授かっていた。片付けなくてはならない問題未来へ送ることに関してはAmazonより早いのだ。

それにそのうち部屋から出ていくだろうという楽観的な気持ちもあった。これまで両手で数えられるほど多くの友人がやってきたが、リピーターは一割にも満たない。

しかし虫は気にいってくれたらしい。出現するたび腕に飛びのってくるのを見ると舐められているとしか思えないが、虫にさえ見下されているという事実精神衛生上認められるものではなかった。

僕はこれを虫なりのスキンシップととる。つまり、この部屋の主は僕である。虫は客人であるから当然僕を敬わなくてはならない。

はいえ虫は喋ることもできなければ宿泊のお礼に金銭を支払うこともできない。ちょっとこれは不義理だなあ、そういうのってわたし許せないタイプだなあ、と当然のことながら虫は思う。その結果があの熱いハグであるということだ。

モテ期来ましたね。

  • 最近朝に会社の窓を開けると蜂っぽい奴が入ってきて 内側から「出られないよ~」と窓に体当たりを5分くらい続けた後に「お、こっちからなら出られたわ~」と出ていくんだ 先々週く...

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