2015-06-14

少女と猫と終わりのコンテンツ

1.

 夜闇をさらに黒で切り抜くような黒猫が、紅い口を開いて言った。

「また一つコンテンツが終わったようだよ」

 変声期にさしかかりつつある少年のような声が暗闇に響く。

「そう。急がなきゃね」

 少女はあらかじめ立てておいた今夜の予定を、頭の中で速やかに修正する。コンテンツの終わりはいつも唐突で、平然と人の運命無慈悲な影響を与えていく。

 コンテンツは生まれ、消費され、そして終わる。人は知らない。コンテンツはひとりでに終わらない。コンテンツ死ぬ間際に、そのコンテンツに関わった人々の時間記憶、心を道連れに飲み込んで無理心中をする。人類歴史上、かつては一つのコンテンツの終わりには戦争暴動集団ヒステリーが起こっていた。例えば中世ヨーロッパに起こった魔女狩りは、キリスト教というコンテンツ終焉がもたらした災厄だ。

 人はコンテンツの終わりを恐れ、恐れるがゆえにコンテンツの終わりに惹かれ、やがて一人の少女が生まれた。

 少女コンテンツの終わりに立ち会い、その悪影響を最小限に留めるための掃除人。すでに500年の時を生き、それでいて10代の少女の姿を保っている。人なのか、人の上位の存在なのかも判然としない。いずれにせよ彼女仕事は変わらない。少女は今夜もコンテンツを看取る──

http://anond.hatelabo.jp/20150614110040

続き誰か書いて。

記事への反応 -
  • 終わりのコンテンツっていうとラノベっぽい

    • 1.  夜闇をさらに黒で切り抜くような黒猫が、紅い口を開いて言った。 「また一つコンテンツが終わったようだよ」  変声期にさしかかりつつある少年のような声が暗闇に響く。 「...

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