十八歳で高卒だったが、とりたてて欠点はなく、無難に父の家業を補佐していた。
文学や芸術に関心が深かったが、あるときから度がすぎるようになった。
けいおんのアニメを見て、あずにゃんに恋してしまったのである。
「私はあずにゃんに恋した。あの可愛いひと以外に、妻となすべき女性はおらぬ」
家族たちは狼狽し、父は激怒した。
「十八にもなって、現実と夢幻の区別がつかぬか。腑甲斐ないやつ、長男として自覚が出るまで家にはいるな」
そういって子を追放した。
半年後、かなうはずのない恋にやつれはてた子は、むなしく死んでしまった。
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