2014-10-17

父には子がいた。

十八歳で高卒だったが、とりたてて欠点はなく、無難に父の家業を補佐していた。

文学芸術に関心が深かったが、あるときから度がすぎるようになった。

けいおんアニメを見て、あずにゃんに恋してしまったのである

「私はあずにゃんに恋した。あの可愛いひと以外に、妻となすべき女性はおらぬ」

家族たちは狼狽し、父は激怒した。

「十八にもなって、現実夢幻区別がつかぬか。腑甲斐ないやつ、長男として自覚が出るまで家にはいるな」

そういって子を追放した。

半年後、かなうはずのない恋にやつれはてた子は、むなしく死んでしまった。

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