2014-09-28

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殊に國字が假名があり、或いは漢字があるというようなことで以て、非常にその國字の學習だけにも時間を取りまして、私は曾て國字問題竝びにその歸趨という國字改良問題の本を書いたことがあります。その當時に私調べたところが、小學校で兒童の授業の半分以上がその國字或いは國語に關する時間に費やしておりまして、外國に比べますと、その國字、國語を覺えるだけに一年半、どうかすると二年ぐらい餘計費やさなければならんような状態であります。而もその結果どうかというと、例えば尋常六年頃までやられた人達が、完全に新聞が讀めるかといいますと、これも讀めない。非常に讀めないということは、最近にその筋の意向がありまして、カナ文字協會が工場の勞働者千五百人の人にいろいろな文字を出しまして、それで試驗をした。で假に百點を滿點にして、何人おるかという例ですが、提携という文字が五十點、確執というのが五十五點、富裕という字が三十七點、憎惡というのが三十三點、軋櫟という字が二十二點、これらは皆終戰後に決められました千八百五十字という漢字制限の中に入つておる文字であります。その文字が或ものによつては二二%しか讀めない。こういうのであります。即ち外國の學校では大抵小學校に行く前、殆ど大抵の子供が新聞が讀めるというのに比べると非常な差であります

第001回国会 文化委員会 第3号

昭和二十二年八月二十六日(火曜日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/001/1344/00108261344003c.html

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