「『3.11』以降色んなことが変わった」と言う人がいるけど、僕の感覚は、1995年1月17日の兵庫県南部地震で変わった。
兵庫県南部地震のときは「地震が起きたのが首都圏でなくて本当に良かった」の一言で済ませて、「オウム!サリン!」と大騒ぎしてたのに、なんで今回は「変わった」と言うのか。
日本の情報発信機関は首都圏に集中しているから、そこで何かが起きると鋭敏に反応する。
兵庫県南部地震は首都圏に影響なかったので報道おさえめだったけど、今回は帰宅難民、コンビニの食料買い占め、計画停電なんかがあって、首都圏が被災状況となった。
それで日本全国にがんがん報道が流れて、尻に火がついたんだね。
そして被災したのは地震でも津波でもなく原発で。だからみんな「脱原発」って言うんだよ。
首都圏直下型地震も考えなきゃだし、そのとき津波が来るかも考えた方が良いんだけど、地震と津波では首都圏被災してないから、興味がない。
そして「原発ヤバい」は1986年のチェルノブイリ事故でみんな知ってた。
このときも原発反対ブームが起きて、広瀬隆の《危険な話》がよく売れた。広瀬隆の講演会なんか長蛇の列だった。
でもブームは去ったんだよね。だから日本の原発政策は進んでたの。
いま首都圏の人達の尻に火がついてるから「脱原発!」とか言って、強引に都知事選の論点にまでしようとしてるけど、このブームも喉元過ぎたら去るよ。
だから「災害の記憶を風化させてはならない」と言ってみんな頑張るんだろうけど、それ言うんならさ、兵庫県南部地震忘れんなよ。