一億人が競技を行う巨大な陸上競技のトラックがある。そこではよーいドンはないし、めいめいが好きなタイミングで異なった競技をおこなう。途中で競技を変えることや、途中休憩も自由だ。
走る時にはバトンを持っていく。バトンは次の走者に引き継がれ、延々とレースは続いていく。
走者の中には、何トンもの重さのバトンを持つ人がいる。彼らは自分の持つバトンの重さを認識することも、バトンが重いと叫ぶこともできない。彼らの多くはそのままスタートラインから動けず、ついには動く気さえなくしてへたりこんでしまう。
追い抜いていく人は最初は同情的だが、次第に険しい表情になり、何してんだよさっさと走れよと叱咤する。しかしいくら言われようがバトンの重さは変わらず、ついにはその場所で次の走者にバトンを渡すことになる。スタート直後に座り込む光景を見て、周りで走る人は嘲笑い、ますますバトンは重くなっていく。
ついには重さに耐えかねて押しつぶされる人が出てくる。その光景を見て、救護班は何をしているんだとか、このトラックはおかしいと口ぐちに文句をいう人も出てくるが、自分が走っているうちに忘れ、また同じようなことがおきる。この競技には圧倒的に救護班が足りていない。しかしそもそも必要なのは救護班ではない。あまりに重すぎるバトンは回収して新しいバトンに代えるべきなのだ。
だがそんなことを言う人はいない。
この競技は欠陥だらけだ。
それは違うな。 裏ルールで、バトンの重さを他の人のバトンに付け替えることができる。 速く走ってる奴ほど有利に付け替えを行うことができる。 「バトンを捨てる」というのは、そ...
だれも陸上競技だなんていってないんだよ。 勝手にバトンを持って勝手に潰れて勝手に救護班呼んでかってに心が折れてるだけ。