「今となっては昔のことだが、僕は四人の「社畜妖怪ウワバミ」を知っている。今回はそのうちの一人について語るとしよう。」
その一人は岡本と言って、気さくな先輩だった。
「その男は岡本といって、社内でも一目置かれる、気さくな先輩だった。」
その先輩と飲んだ尾部という年上の同僚なのだが…彼が妙なことを言いだした。兄貴だとしたっていたし、売上成績も良かった彼と飲みに行ってから、彼と距離をとり始めた。
「尾部という同僚も、岡本のことを兄貴と呼んで慕っていた。しかし、彼と連れ立って居酒屋へ行ってからというもの、尾部は妙な態度を取りはじめた。岡本を避けるようになったのだ。」
入った時期がほぼ同期でありながら、出世は桁違いでだった岡本に僕は仕事を教えてもらったため、彼のことはアニキとして尊敬していた。
「入社時期はほとんど同じだったが、僕は岡本に仕事を教えてもらったため、彼のことをとても尊敬していた。」
さらに、何より尾部という人物、裏表が少なくよほど頭に来ない限りは相手に面と向かって悪口を言ったり、避ける人物ではない。
「一方、尾部という人物も、よほどのことがない限り、誰かを嫌ったり避けたりする性格ではない。」
尾部と僕は辞めていった同期に変わって、後輩の研修をやる「新人世話役」みたいな意味ではほとんど同じ立場にいたが、尾部は俺ぐらいにしか他人の悪口は言わなかった。
「尾部と僕は、ともに新人の研修を担当していて付き合いは長かったが、尾部が誰かの悪口を言うところを見たことがなかった。」
その尾部が露骨に避ける?これはただ事ではないと思い、岡本と何があったかを聞く。すると、尾部は吐き捨てるように、私に言った。
「その二人に何があったのだろう? これはただ事ではないと思い、僕は尾部を問い詰めた。尾部は吐き捨てるように言った。」
「ヤツは妖怪だ!社畜妖怪ウワバミだ!お前も気をつけたほうがいい!二人になった途端に彼は妖怪に豹変する!妖怪に豹変したら…嗚呼、語るのも恐ろしい。」
序盤こそ吐き捨てるようだったが、尾部という男は実に実直なお人。それゆえ、口惜しげに語ることをやめてしまった。
「そう怒鳴ったあと、しかし尾部は急に消沈して、「お前も気をつけたほうがいい」とだけ言って口を閉ざしてしまった。」
以下略。
というか、ここまでしか読んでない。