僕は多汗症だ。
デブではない。むしろ痩せ過ぎにと言われるほうだ。これは体質で特に気にしてはいない。
暑い時は汗を書くけれど人と大して差はないと思う。
僕は別に人が怖くはない。
むしろ周りからはよく喋る人間だと思われているし、実際しゃべることは得意な方だと思う。
しかし、ふとしたきっかけで汗をかいていることを自覚すると汗が止まらなくなる。
その上僕は頭によく汗をかくタイプなので実に厄介。
しゃべることは苦ではないのだけれど、しゃべっていると視線がこちらを向いていると意識してしまう。相手の顔が見れなくなる。
自分が以上に汗をかいていると意識すると汗が止まらなくなる。結局逃げるように会話を終わらせてしまう。
普通に話をする場ならいくらでも逃げれるし、汗が収まるとなんてことはないんだけど、これが大勢の前でとなると話は別で。
会話を無理やり終わらせて逃げることができない。たくさんの視線が自分に向いている。もう意識してしまうと止まらない。
意識は汗のことでいっぱいになり、早く終わらせたい、逃げたいと考えるばかりで肝心の喋りは焦り、淡々としたものになってしまう。
「意識」しなかったりスイッチが運良く入らなかったときは比較的思い通りにしゃべることが出来るのに。
思い通りにしゃべることすらできない。情けない気持ちになってしまう。
もし手とか背中の多汗症だったらまだ目立たない服を着るなど対策は出来るんだけど、頭なもんで汗は垂れてくるし、拭う仕草すら意識のスイッチをガンガン押す要因になってしまう。