2013-02-11

片山祐輔は笑って言った。

「僕が犯人だったんですよ。」

そういった彼は逮捕時にみた猫を抱えた幼さの残る顔ではもうなかった。

 年が経ち時効を迎えたこの日、彼は軽々と自らがやった事を語り始めた。

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 年前、4人の冤罪を生んだ警察検察はその屈辱をはらすために一人の男性逮捕した。

その直後から報道された来歴はおそらく多くの人が納得できるものだったのだろう。

大学中退オタク前科

しかし、彼は釈放された。

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手がかりとなった監視カメラに映った姿を自分だと早々に認めた彼は、犯行を否定し続けた。

自宅のパソコンからも犯行に直接関わるもの発見できなかったという。

あの猫の写真をのぞいては。

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証拠がなければ立件すべきでない。

4つもの冤罪を作った事件のひとつめの教訓は真犯人と思われた彼を守ったのである

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釈放後の彼はカメラの前で雄弁に検察警察批判を語った。

「僕は真犯人共感してる。信者だとも言えるかもしれない。」

繰り返し犯行をカメラの前で否定し続けた彼は真犯人代弁者となった。

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「偶然ですよ、偶然の賜物なんです。」

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指定された猫カフェで、あのとき写真のように彼は猫を抱えて笑う。

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