来年の今ごろには僕は父親になっている。はずだ。
この国で少子化が叫ばれて久しい。原因は若年層の低所得化とか、将来への不安とか、生き方の多様化とか色々あるんだろうけど、僕は特に悩むこともなく結婚して、特に悩むこともなく子供をもうけることになった。妻がどうだったのかは知らない。子供をつくることについて話をしていないわけではないけど、妻といえども他人の真意は計り知れない。
そう、妻は他人であり結婚して他人と一緒に住むということは少なからずストレスになっている。そしてもう一人他人が加わることで更にストレスが増すことは確実だ。
加えて金銭的にも労力的にもかなりの負担になることは疑いないわけだけど結局僕が子供をつくることにしたのは…という言い方をすると妻に「産むのはわたしだ」と言われるので正確を期すれば…僕が妻に子供を生ましめることを是としたのは、結局一度の人生、やれることは何でもやってみようじゃないかという単純な好奇心、に加えて、人間讃歌だ。お金に余裕はないけれど、日本の将来は暗いけれど、地球の未来はやばいけれどそんな世の中でも生まれてくれば少しは面白いことがあるだろうし、面白がってほしい。 人生に何があるかわからんけど生きてくれば何かいいことがあるだろう。大雑把にいえばそういうことだ。
理屈抜きに子どもほしいと思ってしまう俺は少数派なんでしょうかね