2011-11-30

http://anond.hatelabo.jp/20111130080924

ヨーロッパのあるところに一人の青年がいて、己の罪を深く悔いていた

教会告解して許しを得、己の身を恩寵で満たさなくてはならないが、自分の罪があまりに深いので司祭さまはお許しにならないだろう、

こんなひどい罪を犯したものバチカン大司教でもお許しくださらないだろうと思うと恐ろしくてとても告解に行けなかった

自分地獄行きなのだとずっと恐怖していた

ある日青年誕生日を翌日に控え「大人の証」として酒を振る舞われた、しかし酔って帰った青年を母はとがめた

青年の父親は稼いだ金をその日に飲んでしま人間で、一家は飢えと寒さに苦しんできたのに、それを知っていながらその酒をお前も飲むのかと

青年は母に言い返した、母の恥ずべき罪深い秘密自分が知っているとほのめかし、自分はそれよりマシだと言い、青年は母を打った

最低の気分で翌朝目覚め、坂を登っていくとその先に聖人のまつられている教会があった

聖人青年守護聖人だった、彼の名前はその聖人にちなんでつけられた

彼は入り、聖人にむかって恨みごとをぶつけた

あなた自分を助けてくれなかった、あなた自分愛する人を苦しみから救ってくれなかった、

あなた自分愛する人地獄に行くのを防いで下さらなかった

自分彼女地獄に落とすのを止めて下さらなかった

あなたにとってはちっぽけな自分大罪を犯して地獄に行こうとどうでもよかったのだ

するとその教会司祭が現れ、涙を流している青年告解を勧めた

青年はやっとのことで母を打ったことを告げ、司祭は「恐ろしいことだ。しかし主はお許し下さるだろう」と言った

他にも告解することがあると感じた司祭はなおも告解を勧めたが、青年は己の罪深さを恐怖し、高貴なる主がとても自分をお許し下さるとは思えないと言った

司祭は「では聖人さまに告解しなさい、聖人さまになら罪を告白できるだろう、わたしはお前が告解する間そばに居て、主と聖人さまの耳となる。それでよいかな」

そして青年告解を始めた


告解が終わると司祭青年に幾種かの祈りを三度ずつ唱えるよう言い、それで神は彼をお許しになるだろうと言った

「主は己の罪を心から悔いている全てのものをお許し下さる。主は今お前をお許しになった。

主がお前をお許しになったのだから、お前もお前を許さなくてはならない。

主がお前を愛してくださるのだから、お前もお前を愛さなくてはならない」…

こんな話を聞くと「神」がステキ装置に見えてきますね。自分がどんなボロカスクズに思える時も、そこから再起動させてくれる装置

ニーチェが殺したのはひょっとして早まったんじゃないかと思うくらいに。

記事への反応 -
  • 自分だからという理由だけで自分を責めてはいませんか 自分だけは自分をどうにかできると思って、それを自分を嫌ってはいませんか 自分が努力を出来ないと・しないと言うだけで、人...

    • 昔ヨーロッパのあるところに一人の青年がいて、己の罪を深く悔いていた 教会で告解して許しを得、己の身を恩寵で満たさなくてはならないが、自分の罪があまりに深いので司祭さま...

    • http://anond.hatelabo.jp/20111130080924 自分を許すという機能が不足しているから、他人を必要とできる あなたは決して自分を許せないから あなたの分まで、あなたを許してやらないとならない ...

      • http://anond.hatelabo.jp/20111130183052 自分を許せない事は多い 人が他人を許せないのは、他者の内に自らを見るからだろう 自分は許せない、けれど自分を攻撃するととても痛い だから自分と似...

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