いまの若者が著しい差別意識に基づく競争環境の中で生きていることは周知の事実。この社会的事実の
下で憲法14条は成り立つのだろうか。良識の問題として考えても、はなはだ怪しいものがある。これが成り立つと
いう意見の人はこう言うだろう。確かにいまの若者社会には様々な著しい差別がある。しかしそれはせいぜい学生
の間までだ。学生の間は色々な差別意識をもって切磋琢磨しても、社会に出ればみな平等になる。だから憲法14
条は成り立つのだ、と。しかし、これはあまりにご都合主義的な意見ではなかろうか。感受性豊かな若い時期に差別
意識を植え付けておいて、後でチャラにするから君たちは社会的に平等だ、などというのは、とても良識的とは思え
ない。やはり憲法14条は一生にわたって差別のないことが前提になっていると考えるべきである。これを考えると、