2011-07-10

養老孟司著 バカの壁より

P114からP115より引用

意味を見出せない閉塞感が、自殺をはじめとした様々な問題の原因となっています。かつて、脚本家山田太一さんと対談した際、彼は「日本サラリーマンの大半が天変地異を期待している」といっていました。もはや自分の力だけでは閉塞感から脱することができない、という無意識の表れでしょう。実際には意味について考え続けること自体が大切な作業なのですフランクル言葉を借りれば、人生が常に私たちにそれを問うているのです

この本が出たのが2003年。著者はこんな天変地異現実に起きるとは思っていなかった。この文章を読むときに彼は『「日本サラリーマンの大半が天変地異を期待している」といっていました。』に注目してしてしまうと、文章から汲み取るべき本意を誤ってしまう。

「実際には意味について考え続けること自体が大切な作業なのです。」に注目しないと、この著者がいいたかったことから離れてしまう。

誰かが、この文章の中の『「日本サラリーマンの大半が天変地異を期待している」といっていました。』を引用して「つぶやく」というインターネットの使い方をしたら、どうだろう。

古本屋さんの105円コーナーに山積みになっている本を買って確かめることもせずに文章の一部分だけが一人歩きしていく。

本来、信用の連鎖でつながっているはずだが、軽薄な信用の連鎖は深刻な事態を招くのだろう。

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