2024-04-12

誤用だと言われていたけど誤用じゃなかった言葉

爆笑

本来意味は「大勢が笑うこと」なので一人で笑うときに「爆笑」を使うのは誤用である、とされることもあったが、実際には「爆笑」という語が使われはじめた昭和初期からすでに一人で笑う場面でも用いられていた。「大勢が笑うこと」説のほうに根拠がない。

的を得

「的は射るもの」なので「得る」は誤用である、とされることもあったが、もとを辿れば「不失正鵠」すなわち「正鵠を失わず」という慣用句であり(正鵠=的の中心)、それが「正鵠を失う」と肯定形で使われるようになり、その対義語として「正鵠を得る」という言葉が生まれ、そして明治末には正鵠を的に置き換えた「的を得る」や「的を射る」といった表現が出てきた、といったややこしい変遷があったもので、少なくとも「的を得るは誤りで的を射るが正しい」とはされなくなっている。

汚名挽回

汚名返上して名誉挽回すべきだ」とされることもあったが、もともと「挽回」という言葉は「回復」などと同じく「(悪い状態から)元に戻す」という意味なので、「病気回復する」などと同様に「不振挽回する」「衰運を挽回する」など、マイナス意味言葉と組み合わせて用いられることも多く、よって「汚名挽回」についても誤用でないとされる。「汚名挽回する」という表現明治末にはすでに見られる。

全然〜〜だ

全然」は「全然〜〜ない」のように否定形で受けなければならないので「全然〜〜だ」というような書き方は誤用である、とされることもあったが、実際には明治の頃から否定を伴わない形で多く使われており、「否定で受けなければならない」というルールには根拠がない。

敷居が高い

本来は「後ろめたいことがあって相手に会いづらい」という意味なので「高級店に入りづらい」などの意味で使うのは誤用である、とされることもあったが、この表現の要点は「後ろめたい」よりも「相手に会いづらい」という部分であり、そこから考えれば「高級店に入りづらい」などもあくま自然な応用の範疇で、誤用と言えるほどの意味の飛躍はない、とされるようになった。

役不足

本来意味は「能力に対して役目が軽すぎること」なので「役目に対して能力が不足している」という意味で使うのは誤用である、とされることもあったが、そもそもは「役に対して不足(=不満)を言う」という意味であり、「こんな難しい役目は私には無理だ」と不満を言うことも「役不足」の範疇だった。「彼には役不足だ」などと言って不満を含まない用法本来の使い方でない、とは言える。それも明治末にはすでに例があるので最近まれ用法ではない。ちなみに「役者不足」という言葉最近造語であると言われることもあるが、こちらも少なくとも昭和初期には現在意味での用例がある。

他には?

  • えっと、え?

  • > そもそもは「役に対して不足(=不満)を言う」という意味であり、 つまり役ではなく役者(の力不足)に対して不満を言う用法は誤りでは?

  • 他のものはいいけど「全然~だ」だけは全然不自然だ。

    • 「全然平気だ」でコーパス検索するとかなり古い用例がそれはもう大量に見つかる "想定・心配される事柄に反して"というのが「全然」の肝であり、形式的な否定は必須ではないのでは

      • 「全」は全て、「然」は状態を表すので、「全然」って「全ての状態が」という意味で、たとえば「完全に」とかに近い言葉なんだよな。 「完全に〜〜だ」「完全に〜〜でない」に置き...

      • おー、「全然平気だ」には違和感がない。

    • だけど明治時代の国語学者の論文にも「全然〜だ」という肯定形で受ける形でバンバン使われてるぞ。  そもそも「〜然」という熟語の語構成を考えれば、他の「〜然」の語にはその...

      • もともとは普通に肯定で受けていたものが否定と呼応して完全否定を作るのが主流になって、 さらに時代が下るとまた肯定で受ける強調の副詞になっているというのは「「とても」なん...

        • そういう呼応の副詞へのニーズがあるってことなんだろうね。否定の呼応副詞が無いとセンテンスの終わりまで否定か肯定かわからなくて不便だというのはあるよね。日本語の構造とし...

    • 「全然~だ」だけは全然不自然だ。  ← で受けを狙いやがったな! こんちくしょうめ!

  • 明治とか昭和の頃から使われてたというのは、間違いでなかったという根拠にはならない。 明治とか昭和の頃から間違っていた。

    • それ以前は使われていなかった言葉なのに?

    • 普通に使われていて通じていたものを「間違い」とするのは意味わかんないんだよね。 語源からずれてるという指摘ならわかるんだけど

    • 根拠もなしにケチつけてんのおまえのほうじゃん笑

  • 膣内射精(読み:なかだし) 膣に「なか」や「な」といった読みは無いが熟字訓と見做せる 射精も同様

  • そもそも「犬」のことを「猫」と呼んでも誤用じゃないからな。 「犬」のことを「犬」と呼ぶのは、多くの人が「犬」と呼んでいるからに過ぎない。

  • 役不足だけは問題だろ、これ。

  • これ全部嘘だからだまされないようにね

  • 了解/承知https://liginc.co.jp/246919 ご苦労様/お疲れ様https://togetter.com/li/2167712 的を得る、の解説https://togetter.com/li/2295786 全然大丈夫構文はOK、「だって学校で間違いだと習ったから」人が多い...

  • 機動戦士ガンダムをロボットと呼ぶのは誤用とされているが、ガンダム放映当初からガンダムをロボットと言う人は普通にいた。

    • いやロボットでしょ ロボットじゃないならスーパーロボット大戦にはでてないじゃん はいろんぱ

      • これはすごいね。読解力なさすぎて高次元で人々を楽しくさせるが才能ある。

        • スーパーロボット大戦にはデビルマンみたいな明らかにロボットじゃない作品も出てるもんな

  • 全部ソースなしなの笑う

  • そういえば「抽送」は存在しない言葉で「抽迭」が正しいみたいな話が一瞬広まったけど結局「抽送」は普通に存在する言葉で「抽迭」のほうが存在しない言葉だったようだな。

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