世代ではないためドラゴンボールもよく知らないし、ドラクエも遊んだことがない。それでも一つ、自分の中で「鳥山明先生といえば」の思い出がある。
自分の地元は愛知県の、中でも安城市という町だ。名古屋からは快速電車で数十分の距離にあるが、なんてことはない地方である。そんな町の奥の、静かな公園の、さらに奥に「水のかんきょう学習館」という小さな建物がある。
その地元でも全く目立たない、いつ行ったのかも忘れてしまったような小さな学習館に、漫画を提供してくださったのが鳥山明先生だった。
だいぶ前のことになるので記憶は朧げになってしまうが、先生の漫画は読本になって学習館で配布されており、自分は学校のレクリエーションか授業の一環で受け取ったのだと思う。当時は学びの場で漫画が読めるということ自体が新鮮で、鳥山明先生の漫画はかなり鮮やかなものとして目に映ったのを覚えている。そしてなによりも歴史に名を残す漫画家の大先生がそのような施しをしてくださったということが、自分にとっては数少ない地元の誇りだった。
今思えば同じ愛知のよしみって言ったって先生は名古屋の出身でこんな西三河の地方には縁もゆかりもないはずで、それなのに快く漫画やイラストを使わせてくださったなんてとても寛大でありがたいことだと思う。しかも今調べたら無償提供だったそうで、まさにその読本を受け取った当時の子供としてはもう感謝しかできない。(https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2013/04/20/kiji/K20130420005645940.html)
今も水のかんきょう学習館の周りでは鳥山明先生のイラストを使用した看板が一部残っていると記憶しているので、安城にお住まいの方はよかったら確認してみてください。当時の読本もまだ家にあるはずなので、今度探してみようかな。