2023-11-29

身寄りなし高齢者最期

療養型病棟というところでは身寄りなしの高齢者がそれなりに入院していて、誰にも見舞われず死んでいく。

同じ寝たきりでも、子供や孫がいる場合最期にはそういう人達が迎えに来て、それなりの葬儀社に引き取られていく。

生活保護+身寄りなしの場合はどうか。

市の委託先の専門の業者が来る。

はいどうも〜〜と現れて、霊安室に寝かされた遺体引越し荷物みたいに抱えて、寝台付きの特注軽ワゴン車に乗せて、病院を後にする。

私物衣服肌着、靴、タオル。あと歯ブラシとかの日用品。だからだいたいは置いていく。

たまにタンスの奥から若い時の写真とか出てくるけど、それを見ると心臓ギュッと掴まれたような気分になる。それを紙袋に入れて遺体に添える。わずかばかりの荷物と共にこの世に別れを告げる。

病院なので死亡退院事務処理が終わればそこで終わり。

(これが高齢者施設なら、施設法要したり何かしらをするのかもしれない)

こればっかりは、目の当たりにしないとわかんない感覚だと思うけど、それを見てしまうと、どうしようもないほどの孤独感が襲ってくる。

本能的に怖くなる。

自分を知っている人に、誰ひとり見送られずにこの世を去るというのは、こういうことなのかと。

実際に臨終を目の当たりにするのと、想像とはまったく違う。仕事でたくさんの人を看取ったが、目の前で起こる人の死というのは強烈なメッセージ性がある。

人間本能的に孤独に怯えるのだと思った。

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