ボクサーの内藤大助が亀田兄弟を批判する文脈で「ボクシングは見世物じゃない」みたいなことを言ってたのが印象に残っている。
私はそれに対して「いや、見世物だろ」と思った。
見世物にしてもスポーツの技術を見せる見世物だから亀田兄弟のようなやり方が良いわけではない。
だがスポーツに真摯に取り組むだけで見世物として良いものになるわけではない。
プロのスポーツ選手は自分がエンターテナーだということに無自覚な場合があるのではないか。
技術が優れているのは当然の前提としてそれで観客を楽しませる、注目を集めるというのが彼らの仕事だ。
スポンサーは基本的に広告効果を狙って金を出すんだから報酬を受け取る側は「見てもらう」ことこそが目的になるわけ。
可能ならより良い印象で見てもらうとなお良い。
内藤大助が言いたかったことは「亀田は見せ方が誤っている」ということなんだろうということを推察できるが、その一方ではエンターテナーとしての自覚が十分にあるとも思えなかった。