2023-03-12

樹氷に騙された

20代後半くらいだったか蔵王樹氷写真を見て驚いた。

吹雪の中息絶えた人間死体に雪が積もったような、不穏で美しいとは言い難いものだったのだ。

それまで俺の頭の中にあった樹氷イメージは、葉を落とした樹木に吹き付けられた氷がきらめいて細かな枝のように見えている、というものだった。木の枝がそのまま雪の結晶になったような、繊細な美しさを想像していた。

そう、それは霧氷という。俺はその言葉を知らなかった。

寒いところは苦手で、ウインタースポーツもやらないので、実際の霧氷樹氷も見ることなく、この歳まで過ごしてきた。

この間、たまたま年代の友人に樹氷の話をしたら、そいつも同じように勘違いをしていたと言う。

これは何か(世代的な)理由があるに違いない、という話になって、思い至ったのが、「タコなのよ、タコ」だった。

サントリー焼酎名称としてはマイルドウオッカ)「樹氷」だ。

タコなのよ”で田中裕子CMを思い出した人はわかるだろうが、タコハイボール)などで一世を風靡した酒である

俺はこのCMが流れていた頃はまだ子供で、「樹氷」を実際に飲んだ覚えはない。

家にあった気もしないが(父親は安いウイスキーを買ってオールドパーの空瓶に詰め替えて呑んでたなー)、

CMは何度も見たので、今でも瓶のデザインは思い出せる。

透明な瓶に青字で「樹氷」、バックには白樺かなんかの木々が白で描かれていた。

霧氷を描いているとは言えないかもしれないが、少なくとも樹氷を描いてはいない。

あのデザインが頭に刷り込まれて、俺たちは樹氷霧氷を取り違えていたのだ、というのが俺たちの結論だ。

 

ちなみに検索したら今は「大樹氷」っていう商品があるようだ。大五郎っぽいデザインで、昔とはだいぶ違っている。

サントリー不正確な情報を植え付けた責任をとって、エイジドの山崎でも贈ってくれ。(大樹氷はいらない)

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん