2022-12-10

anond:20221210082252

iPS細胞からどんな組織や臓器の細胞を作ることができるのですか?

A 現在国内外研究成果を調べると、iPS細胞から神経、心筋、血液など様々な組織や臓器を構成する細胞分化することが報告されています。 ただし、細胞組織というものは臓器という立体的なものの一部にすぎません。そのため、立体的な臓器をつくる試みもなされており、小さな肝臓などを作ったという報告(Nature. 2013 July 25; 499: 481-484)や ミニ多臓器(肝臓・胆管・膵臓)の作製の報告(Nature 2019 Sept 25; 574: 112–116)もありますが、 人間サイズに見合う、あるいは人間の体内で機能するような大きく立体的な臓器ができたという報告はまだありません。今後、3Dプリンターバイオマテリアルなど、さまざまな素材や技術と組み合わせ、発展が期待されている分野といえるでしょう。

Q iPS細胞技術確立し、医療への応用が可能になったとしたら、どんな病気やケガでも治療可能になるのですか?

A 理論上、身体構成する細胞であれば、iPS細胞はどのような細胞へも分化できますが、それが何にでも応用可能であるとは限りません。 例えば、記憶を司る脳が損なわれてしま場合などは、神経科学の分野においても記憶形成などはいまだ大きな謎の一つでもあります

また、細胞移植を行うことなく、新規の薬剤や治療機器の登場を待つほうがよい場合もあると考えられます。 したがって、他の研究分野の発展とも並行し連携しながら、どのような疾患の治療iPS細胞技術有効であるかを検討する必要があります

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