2021-06-15

皿うどん

 「皿うどん」という言葉を目や耳にした時、どのようなもの貴方は頭に思い描くだろうか?東日本で生まれ育った人、西日本に行った経験が無い人は、うどんが皿に乗って出るのかと想像して、実物を見ると「これが、うどん?」と違和感を覚えるかもしれない。

 長崎県及びその周辺で暮らしている人、生まれ育った人にとっては常識だが、皿うどんは細めで固いパリパリした麺の上に、様々な具材が入ったトロトロのアンを掛けた食べ物である

 なお、これとよく似たもので「バリそば」と呼ばれる食べ物が、山口県(山口市及びその周辺地域)には存在する。此方は、同じパリパリ麺でも皿うどんに比べてやや太く、アンも皿うどんに比べてサラサラしてスープ的な感じがする。かなり量が多い。同じ一人前で比較すると、皿うどんよりも多いかもしれないので、長崎県人でも少し驚く。此れは此れで良い。

 皿うどんバリそばも、一人前から注文できるが、数人前を頼んで家族などで分け合って食べることが多い。

 皿うどんバリそばも、麺が固い状態で食べるのが本来の在り方であるしかし、上のように出前で数人前分を頼んだはいものの、多すぎて余ってしまうことがある。そんな時には思い切って、余り分を冷蔵庫に一晩置く。すると、アンの汁気を吸った麺は柔らかくなる。これにウスターソースを少し加えて、中華鍋またはフライパンで温め直して食べる。

 これは、店で商品として出される本来状態とは異なる食べ方であるしかし、長崎県を含む西日本地域で生まれ皿うどんチャンポン、それらに関連した食べ物は、余り物を流用して安く手軽に作れる食べ物として考案されたのが起源と言われている。そう考えると、こういう食べ方も此れは此れでアリと考えるべきだろう。

 隣近所の集まりや催し物で人が集まると、皿うどんを頼んで、皆でワイワイしながら取り分けて食べるというのが、よく有る楽しい風物詩だった。しかし、コロナウイルスのせいで、家庭内で食べる場合を除いて、取り分けて食べる楽しみ方が出来なくなった。

 一日も早くコロナウイルスが終息しますように。

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