2018-01-09

吾輩は無職である

仕事を辞めた決定的な理由には自分でも見当がつかぬ。

長らく客先の喫煙所避雷針を見つめていたことだけは記憶している。吾輩はここで始めて煙草を吸った。


無職になったその日からモラトリアム背中をつつきはじめ、それはそれは非社会的で終わりのない倦怠におぼれた生活をするのだろうと考えていた。しか退職から1ヶ月が経過した今でも、朝7時に起床しモーニングCROSSを見ながらコーヒーを飲み、今日カーテンでも洗濯しようかしらと考えながら村上龍を読んでいる。なんでもない連休中の1日を過ごしているような気分だ。


金銭面は考慮しないとして、この生活半年、1年、それ以上と続いた場合、非社会的で倦怠におぼれた無職生活が待っているのだろうか。確信はないが無職期間がどれだけ長引いても今とそう変わらない暮らしを続けている予感がする。思うにこれは、自分無職でも一般的社会人と変わらぬ生活を送っているとポーズが取りたいだけなのではないだろうか。誰に対してのポーズか、社会に対してだ。理由単純明快で、我輩は概ね順調だった人生に傷がつくことが、最早盲信に近い「真っ当な人間」という生き物に戻れなくなることを何よりも恐れているのだった。


吾輩は自分が根っからの小心者だということを漸くこの頃知った。知りたくなかった。

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