「一人でできることに限界があると思ったの。一緒に協力していく相手に増田くんが良いと思ったんだけど、私はどうかしら?」
って言われて、文字通り頭が「?」で埋めつくされて、その言葉が付き合おうよという意味に気づくのに時間かかった。
こんな男女の付き合いの始まり方ってあるのか?
一人で生活することにすっかり慣れてしまい、未婚のままお気楽に過ごせることにまんざらでもなかった。
それなのに、ここ数年仲がよかっただけで異性やパートナーとして意識していなかった相手から、突然前触れ無くこういう話を持ちだされるなんて、これまでの人生で全く無かったし、相手のスペック(お嬢様、上品、大企業勤務、容姿端麗、人望厚い)からしても、からかわれてるとしか思えなかった。
よく飲み込めなかったお誘いの話だったけど、相手の方を異性として見る以前に、自分にはない行動力と価値観と向上心に人として尊敬していたので、嬉しさよりも驚きの方が大きく、不思議で仕方がない。
相手をよく知ってるからこそ、生半可な「提案」じゃないことも分かってたし、付き合いもせず断るのも良くないと思い、オファーを受けてみたものの、
お互い30歳をとっくに過ぎてて、当然結婚も見据えた付き合いになるだろうけど、誰かと付き合うとか、そもそも2人だけの食事に誘うとか、記念日的なお祝いとか、そういった活動をするエネルギーが枯れてたのに、これからどうしよう。