もうオタクじゃないなと思うようになってから数年経つ。小学生で夕方アニメにハマって中学生でジャンプ作品集に夢中になって高校生の時は深夜アニメを片っ端から録画していた。どれも心だけじゃなく体ごと持ってかれるような感覚があって、毎日好きな対象のことを考えていたしキャラと仲良くなる妄想をするのが一番の楽しみだった。
気がつけばそれほどひとつのものに没頭することがなくなっていた。好きなものはいっぱいあるけどそれだけで頭がいっぱいになったりはしない。
「〇〇が好きな私が好き」みたいなもんで、好きという感情を抱くことが好きだ。何かを好きと思っている自分が好きなのかもしれない。どっちでもいい。
だからいろんなものを見て楽しい!好き!と興奮してみるしちゃんと心底楽しいと思っているけどしばらくするとスッと冷めてしまう。それがもどかしい。
我ながら子供っぽい感情だ。恋愛体質の人ならばこの感覚を恋愛に求めるのだろうか。こんな中途半端な状態でもオタクだと認定されることはあるし、まあ実際オタクなんだろう。でもそうじゃないこんなもんじゃなかったんだ。あれは思春期だったからこそ持てた熱量だったのかもしれない。