2015-03-18

続きが知りたい

会社の同期らしき10人ほどの集まりと、電車で乗り合わせた。

20代半ばから後半。

男女が半々。

会社行事……歓送迎会かなにかのあとか、軽くアルコールが入っている様子。

「○○さんちで飲み直そうよ!」

「わたし、つられてこっちの方面に乗ったけど、帰れるのかな」

時計は22時。

降りてもう一軒というには少し遅いし、かといってこのまま帰るのはもったいない時刻。

私は7人がけの真ん中に座っており、左の3人がその同期の集まり

3人を取り囲むかたちで、残りは立って、会話が交わされていた。

座っている3人は、左から男性女性男性

一番左、入り口のそばは、穏やかそうな印象のメガネ男性

女性は、美人というより、愛嬌のある感じ。

メガネ男性の話に大きく相槌を打ちながら、肩や二の腕をボディタッチ。

「いいなー、今度連れて行ってくださいよ!」

なんてありがちな台詞も、聞こえてくる。

なにかと話題の中心となり、周囲のつっこみに全身でリアクション

すぐ隣の男性クールな感じでずっとスマホをいじっている。。

仲間からしかけられるときちんと返事をするが、基本はスマホフリック

降りて飲み直す話がまとまったのか、次のターミナル駅でみなが降りていく。

座席女性と、隣のクール男性けが理由をつけて、残った。

メガネ男性、降りない女性に手をふる。

女性も、みんなに大きく手をふる。

2人だけ残った。

あいかわらずスマホを見ている男性

不意に身を寄せた女性

左手を、男性の左ふとももに乗せた。そのまま、男性の耳元にささやきかける。

さっきとは違う。

聞き取れない声で。

見向きもしない男性

言葉だけは返す。

ずっと左手男性の太ももに置かれている。

その薬指には、指輪があった。

そのまま15分ほど過ぎただろうか。

ある停車駅で減速すると、男性が何の前触れもなく立ち上がった。

繁華街などではない、住宅街の駅だ。

男性はそのままドアへ歩いていく。

呆然とした表情で、男性を見送る女性

入り口が開き、降りる男性

発車のメロディが流れると、男性が首だけ車内に戻す。

「おい、降りるぞ?」

あわてて荷物をつかみ、走り出る女性

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