うちはいわゆる毒親だった。
悪どい系の家業なんだけど、私ゃ女なのに継げ継げ煩くて、最初はやっぱまともに継げる男が欲しくて私を産んだ後も妊娠して何度か流産してたみたいらしく、結局しょうがないから私に婿とらせて継がせようと。
で小さい私としては、完全に囲い込まれでもしていたのならまだしも、幼稚園や小学校という世間との繋がりもあったおかげか、こういう稼業の胡散臭さは幸い子供ながらもなんとなく理解できるようになり、で継ぐかヴォケって反発してたら、今度は他に潰しが効かないように、継げ継げ洗脳の傍ら、とにかく生活力を奪う方向に。
昔はなーんもできなかったよ私。おんば日傘で、勉強がちょっと成績いいぐらいで。
たまのお手伝いレベルの料理や、本の通りにすればアホでも作れる手芸や工作をやればやたら褒められて、みたいな。もちろん賞を取れるレベルどころじゃなく、そしたら賞の方を貶めてかかる始末で。
割といろいろ買い与えられまくってたし。(そんなに嬉しくもなかったけど。)
とにかく過干渉だった。娘だから心配なものなんだろうと思ってたけど、今になって考えれば、あれは無意識に、無駄に知恵をつけられて家を出られたら困ると考えていたんだろうな。
学校も、ここに進学しろ、ここは家業と関わりないどころか敵対する方面だから行かせん、とか。
一時期は、結局この家を継がせられるんだったら何か物を考えてもどうせ無駄なんだから、何も考えないようにしよう、感じないようにしようと努めてた。喜怒哀楽が鈍い子供キモスw
まあ今は家を出て疎遠で一応なんとか自力で生きてます。家業はどうなったか知らない。たぶん血縁の誰かを頼み込んで養子にでもしたんじゃないかな。
あんまり人には話さないけど、これを家業から無責任に逃げ出したって誹ってくれる友達もいた。
どうなんだろうね。自分では、育ててくれた恩というのと、一人の人間の人格を無視してすっかり歪ませたという罪とだったら後者の方が大きいと思うし、正直まだ自分に自信がないから、昔より老いただろう彼らであっても、付きあえばまた気持ち的に絡め取られて自分が完全に消滅しそうで怖い。逃げで結構。