「友達」の話になった。
この年になると友達なんて自分の所属するコミュニティ以外ではなかなかできない、地元には友達がいたけど段々疎遠になってほとんどいなくなっちゃったって、だからと言って寂しいとかつまらないとかそういう訳ではない。
要するにただの世間話。
実は自分も地元に友達なんてもういない。帰省しても会うことなんてない。だから彼女の気持ちはよく分かる。年に一度会うか会わないかの学生の時の、友達と自信を持って呼べる友達ならそれなりにいる。残念ながら全国に散らばってしまって誰かの結婚式でも開かれない限りは一堂に会うことなんてないけど。
でもたまに、本当に稀に、地元にも学生のときでも、今まで生きてきて所属してきたコミュニティ全ての友達と未だに繋がりがあるという意味で、やたら友達が多い人がいる。それを見て、凄いとは思うけど羨ましいとまでは思わない。
冒頭の彼女もどちらかというと、自分と同じタイプなんだろう。いないならいないでいいんだけどさ、うん、という感傷。個人的には、このくらいの歳になったら知り合いは増やすもの、友達は絞るもの。と考えている。そう、知り合いだけはやたら増えるんだ。友達が指数曲線だとしたら、知り合いは対数曲線のように。知り合いから友達に昇華するパターンもあることはあるけども、数えるほどだ。
要は、友達なんていうものは、ほとんどが過去の自分の産物であって、今現在の自分が作り上げたものではない。やたら友達が多い人も、最近できた友達の数なんて、二十歳前の各々のステージで増えてきた友達の数に比べたらごくごく少数なんじゃないかって、結論に至った。
でも酔いが醒めた今、改めて考え直すと今の自分が積み重なって過去の自分ができあがるのだから、やたら友達が多い人はこれからも着実に友達を増やし続けて、こんな講釈を垂れている自分は、これからも着実に知り合いを増やし続けていく。人の生き方なんてそんなもんだ。
俺も同じタイプだな。 今となっては友達と呼べるのは1人しかいなくなったし遠方に住んでるから会うのは数年に1回。 それでも全然満足。 でも、この感覚がわからんやつはなんなの? ...