2011-10-01

消費期限つきコンテンツとしての日本人

この10年ほど、ネットの普及と平行して、ある人が急激に有名になって消費されてはブームが去っていくということがやけに目につくようになっている。有名になった人は、もとからなにか一芸秀でたものがある人で、ネットで有名になって、ブレイクして、時の人のような扱いになる。

1年のうちに本を矢継ぎ早に出版したり、ネット生放送に出たり、地上波テレビ番組に出たりする。その人の名前や顔をどこかで見かけないことはないという状態がしばらく続く。その人があたかも当代一流の文化人であるような扱いになる。

で、ある日を境にバブル崩壊する。

その兆候は出版活動に見える。どう考えてもその人の専門に関係なさそうだけど、その人の名前が入った本が書店平積みになっているのがバブル崩壊予兆だ。

ネットで有名になった人のバブル崩壊する実際のきっかけは、やはりネットでの炎上騒ぎになって可視化される。

その人がなにか不謹慎なことをいったりやったりして非難されたり、その人の専門性疑問符が付けられたりするのを境に、気がつけばその人の露出が減っている。1年もたって、たまにネット上の企画でその人の名前を見かけると、あ、まだいたんだと思う。

そういうことが毎年繰り返されるのを見るたびに、有名になった「時の人」よりは、消費されるネット文化人を作り出すこの国の人間のほうが嫌になる。

有名になった人になんでもいいので本を書かせたり、食べ物おもちゃプロデュースさせて一儲けしてやろうというサラリーマンプロデューサーたちの脊髄反射的な射幸心反吐が出るのだ。

はいっても、こうした傾向はますますサイクルが短くなって繰り返されるものと思うので、嘆いても無駄だろう。嫌ならネットを見るな、本屋に行くな、コンビニにも行くな、というわけだ。

あまのじゃくを気取っていないで、ネットライフを彩ってくれる「文化人」というコンテンツ感謝しよう。その消費期限に注意しつつ。

  • 自分がずっと思っていたことを文章にしてもらったみたいにすっきりした オリンピック選手にスポーツと関係ないビジネス向けの成功論の本を出させたり、CMに出演させたり ある分野で...

    • 彼らが血を吐きながら努力して築き上げたものを台無しにする と言う辺りに猛烈な嫌儲臭が。 本出したりCMに出たオリンピック選手は印税や出演料入ってウハウハだろう、と考えない...

  • なんというか、若いな。というか、自分が年をくったのか。 アイドルや芸能人は商品として扱われているんだよ。それでもいいから物扱いされてもいいから目立ちたい/一攫千金を得た...

    • アイドルや芸能人はそういう記号になりきることを望んで自らなったんだから別にいいんじゃないの? この人が言いたいのは「社会って病んでるよね」ってことでしょ。別に変えたいと...

    • ニコ動も「目立ちたい」人間の集まりである事に変わりは無いし、 中には「ここで目立つ事で有名になって一攫千金に繋げたい」と言う野望を持っている人も居るだろう。 芸能人との違...

    • だからといってニコ動が純粋かといえば怪しいところもある。ちょろっとニコ動の社内がテレビに映しだされていたのをみたが、サポセンみたいなのが映ってた。邪推かもしれんが、あ...

  • 一人もそういう人が思い浮かばないんだけど、例えば誰でしょうか? 元増田でなくても良いので教えてください。

    • 元増田じゃないし、ちょっとずれてるかもしれないけど、 ここ数年の例だと、「キャッチフレーズが流行語大賞に選ばれたお笑いの人」 が当てはまってると思う。 流行語大賞に選ばれ...

    • 元増田じゃないです。 ネット以外で有名になった人だし、本を出しまくりとか、テレビに出まくりとか、最近あんまり見なくなったとか、いずれかに当てはまる程度だけど。 森永卓郎 ...

  • http://anond.hatelabo.jp/20111001000456 論点は芸能人でも嫌儲でもスポーツ選手でもなくて。なぜかといえば、ネット発で有名になる文化人()は、ブログをこまめに更新して長めの論説を書いた...

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