はてなキーワード: テネリフェ島とは
「権威勾配」という考え方が注目されたきっかけは、1977年にスペイン領テネリフェ島の空港で起こった航空機どうしの衝突事故です。
583人が犠牲になった大惨事は、機長の権威勾配が急すぎたため、機関士が機長の間違いに気づいていながらも、強く主張できなかったことが一因とされました。
このリスクマネジメントの教訓から、米航空宇宙局(NASA)が主導し、ヒューマンエラー防止のための訓練プログラム、CRM(Crew Resource Management)が開発され、各航空会社が導入。
このなかで権威勾配の考え方も、訓練の重要な要素になっています。
もともとは航空業界で、機長と副機長他クルーとの間に何かしら権力の格差があり、そのせいで事故を起こすのを避けようってことで産まれた言葉やね。
機長の権威が高すぎる(権威の勾配が急すぎる)と副機長らが萎縮して、機体の異常や機長の判断ミスに気付いたとしても口をはさむことができなくなって事故につながってしまう。このため、「操縦室内の権威勾配(Trans-cockpit authority gradient, TAG)」は適切であることが必要とされる。