2024-08-03

射干 候鳥 昧爽 靉靆

正義より悪役を求める人に「ばか」と

いわれる それが聴きたかった

国道トラックに怯えてる

ねぎバターかためこいめおおめ

「みな死ねばほぼ肉塊よ」

母の壊す焦げ八割の目玉焼き

ベニヤ板一枚剥がれたベランダ

白薔薇の脈 しんと積もる

腹下し座り込む便器

閉じた窓の向こう 蝉と小鳥の鳴く

「触れし人みんな生きていたろ?」

よく来たなありがと残暑見舞い

月の裏行きバス酸味だけの食べるラー油

唐揚げ七月紫陽花

土砂降りのにおいを抱えて

この手は誰も握れずたったふたつ

まんまるなつきに「やあ」と下げた頭

酸素舐めに寄る羽虫

やや白き指定靴重ねその子睨む

武士道シックスティーン

まさみちのうたよろこべ

25を背に立つお前を俺がみる

まぐろ まぐろ

せめてものまぐろを抱きたし熱帯夜

昼間___窓のない部屋から逃げ出した

君にもう一度ぴーす (腹減った)

にらあいす色手帳端にメモあり

|射干《やかん》 |候鳥《こうどり》 |昧爽《まいそう》 |靉靆《あいたい》… 16

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