その日の私、結婚指輪つけて3日目。薬指ピカピカの月曜日。つけて仕事の場に出るのは初めて。
その場にいたのは全員社外の人なので、私が2ヶ月前に結婚したことを誰も知らない。私の薬指に違和感を覚えてるのは私だけ。
内心ワクワクな日だったから、つい向き合って話するその人の薬指を見て「この人も結婚してるんだ!」と、謎の感情になっていた。
今までは男性の結婚指輪を見ると「この人結婚してるんだ」だったのに、これからは「この人も結婚してるんだ」になるんだなと思うと新鮮だった。もうちょっと時間が経てばそんなことも思わなくなるんだろうけど。
聞けば、その人の娘さんはもう小学校高学年。少なくとも、その指輪をつけて10年以上が経ってるということか。
プラチナピカーン!な私の指輪と比べて、その人の指輪は随分とくすんでた。全然ピカピカしてない。経年を感じる。
それを見て、私は「早くそれになりたいなあ」と思った。
起きてるときも、寝てるときも、料理してるときもお風呂入ってるときも。まだまだ違和感だらけの私と違って、(なんなら無くしてしまうと不安でいっぱいで)その人はもう、薬指に違和感なんてないんだろう。