2024-07-31

僕はポケモンが嫌いだ

小学校とき先生に知能に障害がある子のうちに遊びに行かされた。

彼は脇目もふらずにポケモンをやっていて、正直、「こいつでもポケモンとかわかるんだなあ」と思った。

三十分ほど彼のプレイを見ていて、とても悲しい事に気が付いた。

彼がそのゲームでやっているのは、最初の草むらでコラッタポッポを倒す、

ただそれだけだった。彼のピカチュウLvは50を越えていた。

彼は永遠、たいあたりでコラッタを倒し続けた。とても楽しそうだった。

先に進めてやろうと思いゲームボーイに手を伸ばしたら凄い剣幕で怒鳴られた。

なんて怒鳴られたか聞き取れなかったけれど、とにかく怒鳴られた。

それを見て彼の母親が「ごめんなさいね、○○ちゃんポケモン大好きのよ」と僕に謝った。

彼はポケモン以外のソフトは持っていなかった。

僕はそれ以来、ゲームをやらなくなった。以前のようにゲームにのめり込めなくなってしまったのだ。

コントローラーを握るとやるせなくなった。友達の家に行ってもみんながやるのを見ているだけだった。

その間、僕はゲームに興じる友達背中だけを見るように努めた。本当にむなしかった。

その内に、僕はゲームを憎むようにさえなった。

今までの人生の中で、あんなに何かを憎んだことはない。

それは真夜中に僕を目覚めさせた。

ゲームなんかこの世からなくなってくれと本当に願った。

僕はソフトを彼に全部あげて、本体は捨ててしまおうと思ったが、兄に怒られそれすらできなかった。

一人暮らしをしている今でもゲームは嫌いだし、もちろん家にも置いていない。

時々、彼と、永遠ポケモンマスターになれなかったであろう彼のピカチュウの事を思い出すと、とても悲しくなる。

  • これのドラクエ版見たことある

  • その子の育てたピカチュウが、もしコラッタだけを倒し続けて育成したとしよう。 ポケモンには努力値システムというものがあり、コラッタを倒しまくると素早さがあがるという仕組み...

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