2024-06-24

リボン弁慶

Aはもてる男であった。もちろんもてるための努力はしているがそれは最低限、それはいってみりゃ無機質なもので、変に走ってアイデンティティをだす愚かで迷走し深夜に悩み泣く人とは真逆である。元が強いのだ。それは才能だ。

温暖化が進む現代バレンタイン暑い。朝、彼が高校の、自分の靴箱をあけると。。。ではなく開ける前から、彼は驚いた。彼が見たのは自分ロッカーから垂れ落ちているチョコ。中で人がグサグサ刺され死体が中に詰まり血が滴り落ちているんじゃないかと思わせるように重力従順チョコ。彼が色盲じゃなくてよかった。朝日で脆くなったロッカーコーティングをしながら、ついでに床に甘いワックスをかけている重力とそれは、いずれ高校お菓子の家にしてしまうんじゃないかと怯えた。

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