カルト宗教は、組織内に人の心を縛り付け、外の世界に敵を生み出す。資本主義を盲信し過ぎることは、それ以外の社会形態を否定し、冷戦構造を生み出す。弱肉強食を信じれば、クラスでいじめられた我が子は敗者であり救いがないことになる。利己的な生き方を確信すれば、自分以外が敵となる。
強く物事を信じることは、その外に敵を生み出してしまう。その枠組みが何であっても、枠が強ければ強いほど、その枠の外との敵対は強まる。
では何事も信じず、薄らとした関係性を保ちながら、一つのものに肩入れせずに生きていけるだろうか。万物はいつか壊れる、生に強く執着すべきではないと思い、全てのものと平等に距離を取りながら生きられるだろうか。