幸いにも心身ともに健康で、障害や病といった苦労はしてこなかった私だが金にほとほと苦労させられた若いころだった。
こんな苦労なんかせずに済むならしなくていいと思う。
幼いころ水道が止まり近所の公園に洗髪、便所、飲水に行ったり、冬にガスが止まってマイケルジャクソンのような声をあげつつ水のシャワーを浴びたり、電気が止まって半氷でベショベショの飯を食ったり。金がなくて学校行事に参加できなくなりそうだったり、汚い服を延々と着続けたり。
明治時代には貧民窟で残飯屋というものが人気の商売だったらしいがそれを使って生き延びた苦労なんか現代人にはわからないのと同じで、今の子たちがこんな苦労をする必要はないだろう。どんな階級の子もそれに応じた苦悩があるのだから、貧民も富豪も下人も上流階級も、それに応じて努力すればいい。