「一番分かりやすいのはフォークだ。ボールをはさみこむ動作をすることで、手首の動きやグラブの開きなどにクセが出やすい。それにフォークは予想していないと打つことが難しいボール。だからフォークがくる場合は私が事前に指示しよう」。ブレイザーはグラブの動きやフォームのクセなどから確実に相手の球種を見抜いていた。
野村は西鉄・稲尾和久のスライダーを何としても攻略したいと思っていた時に「最後の4割打者」として知られるテッド・ウィリアムスの「投手には必ずクセがある。私は対戦している投手の90%は、投球前に何を投げてくるかを知っている」という言葉に感銘を受け、稲尾のフォームをビデオで分析。ついにはスライダーのクセを発見した。