毎年、桜の時期は暇さえあれば散歩に出て、次も見たいからあと一年生き抜くかな、なんてごまかして生きてきた。
少し歩かないと桜が無いエリアに越して、出掛けにくいご時世で、今年は数える程しか見れなかった。
それでも、やっぱり春っていいなと思う。
ほとんど開けることの無かった窓を全開にしたついでに、出たことのないベランダを見る。仕事ができる椅子でも買おうか、観葉植物でも置こうかと思う。
換気としては心許ないそよそよした風を受けて、 1/f なんていうどこかで見た話を実感する。サーキュレータや空気清浄機を探す。
柔らかい日光を浴びて、やや悪い日当たりを補いたくなる。鏡で照らすにはセンサーとモーターがいるよな、なんて考えたり。クラウドファンディングのプロダクトはあったが終売だ。
どうせすぐに暑くなってどの検討も意味が無くなるのは分かっていても、気分の良さを広げたくなる。
ほんの短い期間のそわそわで生かされているのは、桜があっても無くても同じなようだ。