俺が子供の頃。
「言う事を聞かない子はクリスマスプレゼントはもらえないんだよ、代わりに木の枝をもらうんだよ」って母親がずっと言っていた。だから俺はできるだけ良い子でいることを努めていた。
そして迎えたクリスマスの朝。枕元を見ると、大きな紙袋が置いてある。大きな袋?おかしい。俺が頼んだのはゲームソフトだったから、こんなに大きな袋であるわけがない。
恐る恐る中を見ると、中にはなんと大量の木の枝が詰められていた。俺は思わずワッと泣いてしまった。うろたえる母親。しかし中をよく見ると、手紙が入っていた。サンタからの手紙だ。
「いつもお母さんにわがままをいって困らせている◯◯くん。今回はとくべつに木の枝といっしょにプレゼントをあげるけど、言うことを聞かないと来年はないよ」
えっプレゼントあるの?よく見ると、袋のそこにゲームソフトが入っていた。助かった。俺は泣くのをやめた。母親は「よかったね。これからは言うことを聞こうね」と言った。俺は言うことを聞くことを誓った。
次の年のクリスマス。ドキドキして目を開ける。木の枝はなく、欲しいゲームソフトだけが枕元にあった。良かった。俺はサンタに認められたのだ。
しかし今思うと、あれは母親が紙袋に自分で木の枝を集めて入れたんだなって思う。その意図や姿を想像すると、ちょっとひどいなと思った。そういえば枝にも見覚えがあるぞ、そうだ、庭に生えてる木の枝だった。全く気づかなかった。
だからこの前母親にこのことを問いただした。「あれ、そんなこともあったっけ。全く覚えていない」ひどい話だ。覚えてないけど、ごめんとは言ってくれた。許すしかない。
こどもが土地や家を欲しがってたら何を代わりにあげようか あげたくてもなかなか買えない 土地から取れた枝や葉っぱで我慢してもらおうかな
で、なんのわるいことしとったんや?ゆうてみ