どんな自殺が苦しまずに死ねるかを頻繁に考えていた時期もあったけど、
自殺する根性なんて結局無くて、ここ5年くらいは、余命を宣告されるような病気になって、
残り少ない余生を楽しんだ上で、死ぬことを望んでいた。医者に余命を宣告されることを夢想していた。
なので、ピロリ菌も除去せずほっといてたし、会社の健康診断の再検査も無視してた。
でも、そうではなかった。
昨夜、夢を見た。
死刑宣告を受ける夢だった。
なぜ死刑になったのかは、夢の事なので細かいことは覚えてない。
だけど、だんだん「必死で許しを請えば死刑をまぬがれるのではないか」
「なぜ死ななければならないのか」「死にたくない」という気持ちになっていったところで目が覚めた。
ショックだった。何年も思い描いていた願望は、死ぬことなど怖くないというただの虚勢だった。
いざ目の前に死が見えたら、そんな虚勢はあっという間に消え去ってしまうものだと思い知らされた。
もし夢ではなく、現実に余命を宣告されたら、きっと死ぬ直前まで後悔に打ちひしがれていただろう。