モンちゃんの衣装にびっくりした。あんなにハイセンスな衣装を着こなしてるなんて流石だと思った。
彼女は育ちが良いので食べこぼしもないし、ちょっとコンビニへ出かけるときもおすましすることができる。
僕には無理だ。
モンちゃんはまちなかですれ違うたびに振り向かれる。彼女は紛れもなくいい女であって、僕のようなものには釣り合わない。それに、彼女と名前を交換したいと思うことがある。僕の名前はさくらで、彼女の名前はモンだ。まるであべこべじゃあないか。僕はまるで女の子で彼女は男の子だ。それもとびきりキリッとしていてハンサムなんだ。彼女が衣装を着替えるたびに僕の中でハッと気づくものがある。立ち姿はモデルのようだ。これじゃだめだと自責の念に駆られる。だってまるで僕は素っ裸だ。彼女に見せる衣装だってないんだから。先日も主人がくれた骨を一日中我を忘れてしゃぶってしまった。これは違うと思った。彼女と決定的な違いだ。彼女はそんなに卑しくはない。まさにセンス・オブ・わんだーなのだ。