■草むしりしてたらコップの水が溢れた
草むしりしてたら夫が「あっちの草も抜いといて」と言って出かけていった。
察してちゃんとかそういうことではない。何度たまにはあなたもやってほしいと言ってもやってくれないからずっと私がやっている。
草むしりだけではない。
あらゆる家事、彼の脱ぎ散らかした靴を片付けたり彼の部屋のゴミ箱がいっぱいになったら外のゴミバケツに捨てたり、そんなことも全部私がやっている。
お願いしたこともあるがやってくれないしあまりしつこく言うと怒鳴られるか疲れた疲れたといってため息ばかりつき始めるのでもう面倒になって最近は何も言ってない。
夫が出かけた後、お向かいのおじいさんが
「いつも大変だねえ。うちいい除草剤あるからいつでも声かけて」
と話しかけてきた。
除草剤は他の花や野菜に影響するから、と夫に禁じられているのだけど、声を掛けてくれたことが嬉しくて
「ご親切にありがとうございます」と言いながら何だか涙が出てきた。
たったこれだけのやりとりだし向こうも半分社交辞令なんだろうけど、何故か悲しくてたまらなくなった。
一度でいいからこうやって労ってほしかったんだということに気付いた。
赤の他人でさえこう言ってくれるのに夫は私が全てやるのが当たり前になってて何にも言わない。
もう平気なつもりだったのに急激に悲しくなって、ああ、別れたい、と思った。
コップが溢れるとはこういうことなのかな、と思った。
子どもがいるので溢れた水を無理やり別の器で掬うようにして日々過ごしてるけど、そのうち器がなくなる気がする。