無性に、自分の普段考えていることを他人に聞いて欲しくなる時がある。
見えている世界をメタ的に記述しようとしている時はとくに症状が激しい。人間は、社会は、世界はどうの、という話だ。
私は対外的には寡黙な人間で話し方も上手ではないので、あまり話し手として求められることはない。
昔から聞き手としての役割を求められることが多かった。聞いてもらうと安心すると言われ、気をよくした私は愚痴の吐き捨て場のような役割をしていた。中には話が止まらない人間も多く、壊れたラジオのように話人たちをどうやって(機嫌よく)止めるかが長年の私の課題であった。
そんな毎日を過ごしていたので、ここ数年でますます話すのが苦手になった。