最近、趣味で外を出歩くときはカラスの鳴き声を真似るのが日課だった。
あなたは知っているだろうかカラスという生き物は、鳴き声の違いで個体差を見分ける能力があるというのを。
頻繁にカラスの鳴きマネをしてた、私のカラス声紋はカラスに分析され、カラスの群れに覚えられていたのだ。
「カァ」
私が一声鳴いた所、近くにいたカップルカラスが私に向けて急降下してきたのだ。
しかもカップルカラスが自宅までストーキングしてきた。このままではカラスに家がバレてしまう。
私は走ってカラスの視界外まで逃げ延び「ガァガァガァガァガァ」と鳴いて無関係なイマジナリーカラスを演出した。
私の鳴き声ではなく、見えない場所で鳴いているどこにでもいる想像上のカラスで、私ではないと。そう主張したのだ。
ドックファイトにおけるチャフのようなもので、デコイともいえるかもしれない。
愚かなカラスは私の鳴き声に惹かれ、隠れてる私の方へ向かってくる。