最近ハマっているのが、電車で池沼を演じる遊び。徹底すればするほどコレが存外面白い。
まず、細部にコダワる。靴はスポルディング。服はダサいジャージで、ウェアをズボンにインする。
演技の開始は電車に乗ってから。車両に乗り込むと同時に、満面の笑みを作る。嗚咽しながら、口をパクパクと開閉する。
俺は乗客の無表情を楽しみながら、適当な席に膝を付け窓の外を眺める形で座る。
「づぎは~じんじゅぐーづぎはーじんじゅぐー」 …できるだけ高い声で、精一杯演じる。駅メロディーを口ずさむ。
その後、不意に座席を立ち上がり「ぅぅぅうああああああああああああああ!」と叫びながら車両を全力疾走で往復する。
これには、乗客が他の車両に行くことを牽制する効果がある。車両内の空気がどんどんと重く、気まずくなってくる。
ニ往復ほど叫び通した後、予めアラームをかけておいた携帯電話がなったので取り出し、応答する。
「はい。14時半ですね? ええ。…いいえ、とんでもないです! では後ほど伺いますので…はい、失礼します」
狂人の真似とて大路を走らばすなわち狂人なりやんけ