少し前、何をトチ狂ったのか、ボロいラブホテルに男一人で泊まってたことがあった。
国立の繁華街から少し離れた、築何十年経ってるんだかという感じの昭和感溢れる、当然WiFiなどないラブホテルだった。1泊6000円。
時刻はちょうど終電の終わったころ、特に眠くもなかったので、ずっとスマホゲームをやっていた。
壁が薄いのだろう、向こうの部屋から男の話し声が聞こえた。
自分の方は、これまたトチ狂っていて、FGOのガチャに一喜一憂して大声で独り言を言っていた。
「始皇帝出ねー!!!」とか言っているうちに、課金しても一向に始皇帝(という星5キャラ)が引けないので本当にイライラしてきた。
イライラしたので飯でも買おうと思い、外のコンビニに行くことにした。
フロントのおばさんに鍵を返して外で弁当とビールを調達し、部屋に帰ってきた。フロントで鍵を受け取り、ふと部屋選択機を見てとんでもないことに気が付いた。
ランプが消えているのは自分の部屋だけだった。同じ階どころか、建物全部で宿泊客は自分だけだった。
震え上がりながらも、自棄になってビールで恐怖を打ち消し結局一夜を明かした。何事も起きなかった。大学5年、23歳の冬だった。
掃除のおじさんだろ うんこ散乱もあるような職場だからやりながら愚痴も言うだろう