2020-01-20

ある晩のこと

 少し前、何をトチ狂ったのか、ボロいラブホテルに男一人で泊まってたことがあった。

国立繁華街から少し離れた、築何十年経ってるんだかという感じの昭和感溢れる、当然WiFiなどないラブホテルだった。1泊6000円。

 

 時刻はちょうど終電の終わったころ、特に眠くもなかったので、ずっとスマホゲームをやっていた。

壁が薄いのだろう、向こうの部屋から男の話し声が聞こえた。

自分の方は、これまたトチ狂っていて、FGOガチャ一喜一憂して大声で独り言を言っていた。

始皇帝出ねー!!!」とか言っているうちに、課金しても一向に始皇帝(という星5キャラ)が引けないので本当にイライラしてきた。

 

 イライラしたので飯でも買おうと思い、外のコンビニに行くことにした。

フロントのおばさんに鍵を返して外で弁当ビール調達し、部屋に帰ってきた。フロントで鍵を受け取り、ふと部屋選択機を見てとんでもないことに気が付いた。

 

 ランプが消えているのは自分の部屋だけだった。同じ階どころか、建物全部で宿泊客自分だけだった。

 

 震え上がりながらも、自棄になってビールで恐怖を打ち消し結局一夜を明かした。何事も起きなかった。大学5年、23歳の冬だった。

  • 掃除のおじさんだろ うんこ散乱もあるような職場だからやりながら愚痴も言うだろう

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